2014/08/17

私の幸せ

 小さいときに家の中でいちばん好きだった場所は、グランドピアノの下。そこにたくさんの本を持ち込んで潜り込み、本を読みながら、母や母に習いに来ていた生徒さんのピアノの音を聴くのがたまらなく好きだった。

 今でも、もしかしたらそれはあまり変わらないのかもしれない。我が家のソファの肘掛けは、私の側はいつもこんなふうに本が積み上がっている。そのほとんどがまだ読んでいない本なのだけれど、まだこれだけ読みたい・読まなければならない本があるのだということ自体が、私にとっては幸せなことなのだ。

 将来いつか、壁一面が本棚の自分専用の書斎で、日がな一日本を読んで暮らしたい。友達に貸すことが多くなったら、美しい蔵書票と貸し出しカードをつくって、おいしいコーヒーとケーキも出したりして、ささやかな輪が広がったりしたら嬉しいな、などとぼんやりと考えている。

2014/08/12

お守り

 これまで何種類もの香水を買ってきたけれど、これはリピート必至。柚子の香水だ。

 香りは好みがわかれるものだとは思うが、ブレンドされているアロマオイルは私にとっては鬼門で、いつも決まったものしか買わない。女性らしい香りと言われるローズは苦手、清涼感といえばピカイチであろうミントはさらに輪をかけて苦手ときている。香水はさらに買うのが難しく、「大丈夫そうだな」と思って買ったものにあとになって酔ったことも数えきれない。

 柑橘系の香りには好きなものが多く、その中でも大好きな香りである柚子の香水をずっと探していた。「柚子」とついているものは何でも試してみたけれど、どこか人工的だったり、苦手な香りが混ざっていたりして、半ば諦めかけていた。

 そんなときに見つけたこの香水。そのまんまの柚子の香りで、まるで目の前に丸く黄色い柚子があるかのよう。なんとなく低空飛行のときでも、ひと吹きで簡単に気持ちを上げてくれる、私のお守りだ。

2014/08/08

各地で1day文章講座を開催しています

今年に入ってから、3月10日(月)東京、5月18日(日)神戸、6月7日(日)名古屋、7月27日(日)札幌と、各地で1day文章講座を開催しました。

顔が見えないぶん、文章を書くときは、対面で会話するよりも気をつけなければいけないことが多いもの。

そして、思っているよりも、人は文章のはしばしからいろんな感情を読み取ります。それで一喜一憂したこと、私も数えきれません。
「自分らしさ」も、同じように伝わります。

でも、「自分らしさを活かして文章を書きましょう」と言葉で言うのは簡単ですが、白紙を目の前に手が止まってしまう人も多いはず。
この講座は、しつもんに答えることで自分らしさを導き出し、それを意識しながら実際に文章を書き、8つの項目で文章をチェックしていくという形で進めています。

一部、ご参加いただいた方の感想をご紹介します。

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自分の魅力を知るための魔法の質問がよかったです。
改めて意識して書いてみようと思いました。
(Oさん・男性、東京)
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文章を書く前に答えたい質問のE・F・Gを
知ることができて、ものすごい効果を感じられました。
ここがバチッと決まってから書くと
自分でも納得できる文章が書けると実感できました。
(Mさん・女性、東京)
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わかりやすく説明を加えながら進めてくださったのでよかったです。
これから書くことを恐れず、少しずつでも自分の考えを
表現していけたらなあと思います。
(Fさん・男性、神戸)
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今回の講座は説明がとても明確でわかりやすく、
なおかつ、楽しみながら学べたことが大きな収穫でした。
(Gさん・女性、神戸)
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文章を書く前のしつもんは、本当に教えていただけてよかったです。
なんとなく書くことが多かったので、これからは
“しつもん”してから書きたいと思います。
(Wさん・女性、名古屋)
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どういうことを意識して書くと、自分らしく書けるかの
ポイントがわかりました。
書きたいんだけど、なかなか指が動かなかったのですが、
今夜、まず第1弾を書きます。
(Oさん・女性、名古屋)
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文章を書きたいな、と思うようになりました。
日本語の表現の素晴らしさ、難しさ。
それをよく考えて、相手の気持ち、自分の気持ち、
表現の大切さをしっかり意識しようと思います。
(Nさん・女性、札幌)
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しつもんに答えることで「自分の軸」「文章で何を伝えたいか」が
明確になり、とてもスッキリしました。
(Oさん・女性、札幌)
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8月には大阪で行います。
日程が合わないという場合は、info@cotonoha-crochet.comまでお問い合わせください。

2014/08/07

 

 1日の中でいちばん頭が冴えているのは朝の時間帯だ。中学生の頃から、勉強は朝にしかしなかったし、今も夜更かしは大の苦手で、24時をまわっても起きていることなど、1年を通しても両手の指で足りる。

 だから、昔から大事なことは朝に決めてきた。今でも朝5時過ぎに起きだし、まだ夫が寝静まっている時間帯にひとりで本を読んだり音楽を聴いたりすることで、自分が自分に戻ることができる。気にかかることをぼんやり考えていても、必要以上に考えが暴走しないのもいい。

 夜の親密さとはまたすこし違うけれど、朝は適度な距離を置いて私を見ていてくれる、そんな気がする。

 近くで蝉が鳴いている。今日もまた、新しい1日が始まる。

2014/08/01

 

 いくつか、好きな書店やカフェや図書館がある。そこはいつでも静かな場所だ。
 
 物理的に静かかどうかは、あまり関係がない。どんなにたくさんの人の話し声や音楽で溢れていても、静かな場所は空気が違う。いつでもまっすぐで、どこか凛としている。こちらの姿勢まで正されるような。

 何をつけ足すのでもなく、何を差し引くのでもなく、そのままでそこにあるということ。ただ、そのままで満ち足りていること。

 私も、そして私の文章も、そんな存在でありたいと強く願う。