2014/08/17

私の幸せ

 小さいときに家の中でいちばん好きだった場所は、グランドピアノの下。そこにたくさんの本を持ち込んで潜り込み、本を読みながら、母や母に習いに来ていた生徒さんのピアノの音を聴くのがたまらなく好きだった。

 今でも、もしかしたらそれはあまり変わらないのかもしれない。我が家のソファの肘掛けは、私の側はいつもこんなふうに本が積み上がっている。そのほとんどがまだ読んでいない本なのだけれど、まだこれだけ読みたい・読まなければならない本があるのだということ自体が、私にとっては幸せなことなのだ。

 将来いつか、壁一面が本棚の自分専用の書斎で、日がな一日本を読んで暮らしたい。友達に貸すことが多くなったら、美しい蔵書票と貸し出しカードをつくって、おいしいコーヒーとケーキも出したりして、ささやかな輪が広がったりしたら嬉しいな、などとぼんやりと考えている。

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