2014/12/11

 ワールドシリーズでサンフランシスコ・ジャイアンツが優勝したその夜は、街中はそれはそれは大騒ぎだった。中継に釘付けになっていた人たちが一斉に雄叫びを上げ、あちこちでクラクションが鳴り響き、誰も彼もが笑っている。
 
 野球でも応援歌のことをチャントと言うのだろうか、と思いながらも、そのチームの愛し方に、地元のサッカーチームを応援している私との共通点を感じずにはいられなかった。
 
 普段は白のライトだというコイトタワーも、この日ばかりはオレンジ色にライトアップされていて、まるで街全体が流行熱に浮かされているようだった。もうすぐハロウィンだから、と友達が買ってくれたチョコレートを口に放り込みながら、私の足取りまですこし軽くなったような気がしたのはなぜだったのだろう。

0 件のコメント:

コメントを投稿