2014/11/25

 到着したその日は、ロジャーがつくってくれた夕食を3人で囲んで楽しい時間を過ごした。言いたいことがあるのになかなか英語が出てこないことに、胸のつかえを感じながらも。「明日はゆっくり寝てていいからね」と言われたとおり、目覚ましもかけずにベッドに倒れ込み、次に目が覚めたら太陽ははるか高くに上がっている。あわてて時計を確認したら、もう朝の10時をとうに過ぎていた。
 
 まだぼんやりしながら階下に下り、「よく寝てたねえ。途中何回か部屋覗いたけど、ほんとによく寝てた」と言われて、えへへ、と笑う。今日も空は晴れ渡っていて、それじゃあクラムチャウダーを食べに行こう、と出かけた。
 
 はじめて目にするサンフランシスコのダウンタウン。思ったよりもずっとあたたかく、じきに見えてきた海は太陽の光を反射してキラキラ光っていた。ちょうどお昼時だったからか、スーツを着たビジネスマンと、トレーニングウェアで走っている人、このあたたかさの中でダウンを着ている観光客が入り交じる。「このへんは走ってる人が多いね。健康に気を使ってる人もすごく多いよ」という友達の言葉に、深く頷く。
 
 駐車場に車を停め、散歩がてら海沿いを歩く。港の一角にはアザラシが集まって鳴き声を立てていた。いくつかのお店を冷やかして、目についたところでクラムチャウダーを頼んだら、中をくりぬいた大きくて酸っぱいパンの中にたっぷりとスープが注がれ、あまりの大きさに目をまるくする。それでも、10月の終わりとは思えない強い日差しを浴びながら食べたそれは、今まで食べたどのクラムチャウダーよりもおいしかった。

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