2013/03/30

1枚のショートパンツ

 ずいぶん長いこと、どこに行くのにも頑なにジーンズ、という時期があった。
 毎日スーツを着なければならなかった会社を退職したら、とたんに何を着たらいいのかがわからなくなった。何が似合うのかも何が好きなのかもわからず、思考停止の状態でただ服を選ぶだけ。だから、あたりまえだけれど何の愛着も持てず、服を買うのがさらに苦手になるという悪循環からなかなか抜け出せなかった。
 昨日、ショートパンツを買った。自分でショートパンツを買うのははじめてのこと。なぜかどうしても気になってしかたがなく、いつもなら理性で押しとどめるのに、自分でもよく思い切ったものだ、とどこか他人事のように思う。
 ファッションは自分自身。それならば、たった1枚のショートパンツが、いろいろなしがらみや枠から解放され、のびのびと自分自身を表現できるきっかけになるのかもしれない。

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