2013/01/12

修理工場

 4ヶ月ぶりに、美容院に行った。
 私の髪は硬くて多くてまっすぐすぎて、美容師さん泣かせだ。どこに行っても、「これは扱いが大変ですねえ」と言われてしまう。パーマをかけるのはかなりの大仕事。おまけに、美容院というところは私にとってはとてもハードルが高い。美容師さんの視線にひるんでしまうのだ。顔のつくりや服装、性格や嗜好などを把握しないといい仕事ができないだろうことは承知しているつもりだけれど、ときに無遠慮とも言いたくなるような目を向けられると、それだけで逃げ帰りたくなる。だから、美容院に行くのは必要以上に緊張することだった。
 今行っている美容院に通いはじめてから、もう5年近くなるだろうか。子どものときに親に連れられて行った美容院以外で、自分で選んで行くようになってからは、通っている期間がいちばん長い。これだけの期間通って、やっと緊張せずに行くことができるようになった。髪質も性格もわかってくれているので、私としても行きやすい。
 緊張するくせに、美容院に行くのは好きだ。誰かの手できちんと扱われ、丁寧に髪を洗ってもらい、傷んだところを取り除き、トリートメントをしてもらうと、それだけで修理された、と思ってしまう。まるでおもちゃや人形の修理工場みたい。そして、私は定期的に修理されることが必要なのだ、と思う。それからまた何ヶ月か、元気に生きるために。

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