2012/09/26

私のパワースポット

 はじめて訪れたのは、14歳の夏だった。
 母のたっての希望で足を延ばした富良野は、綺麗ではあったけれどそれ以上の感慨は何もなく、「北の国から」を熱心に見ていたわけでもない当時の私にとっては、空が広いところだな、という印象ばかりが強かった。20年以上経ってから、ここがこんなに大事な場所になるとは、もちろん知る由もなかった。
 仕事で富良野に行くようになって、2年ほどになる。何回降り立っても、心が躍る。パワースポットが自分が元気になれる場所なのだとしたら、富良野は間違いなく私にとってのパワースポットだ。同僚でもある大事な友達がいて、居心地のいいホテルがあり、大好きなお店があり、景色を見るだけでもエネルギーが充電される。広々とした空、なだらかに続く丘、吹き抜ける風。ラベンダーの香りが満ちる季節も、道路脇に連なる白樺に雪が積もる冬も、それぞれに美しい。1年ぶりに来た富良野も、以前と変わらず私を迎えてくれた。大切な場所があり、そこに来られることが、たまらなく嬉しい。

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