2012/11/25

工夫、経験、進化

 カッコウやホトトギス、ジュウイチなどは、他の鳥の巣に卵を産みつけて育ててもらう「托卵」をする鳥だ。卵から孵った雛は、仮親の卵を巣の外に落とし、仮親に自分だけを育ててもらう。仮親の卵を落とすために、雛の背中が窪んでいるということまでは、私も知っていた。
 なんの気なしにお風呂の中で聴いていたラジオで、おもしろい話を耳にした。
 1羽しか巣にいないカッコウなどの雛は、仮親の卵も孵ったように見せかけて数羽分の餌をもらうために、そのいないはずの雛の分まで自分で鳴くのだそうだ。本来なら「ピー」「ピー」というテンポで鳴くはずなのに、仮親を騙すために「ピーピーピーピー」と鳴くという。また、薄暗いところに巣を作るコルリやルリビタキに育ててもらうジュウイチの雛は、まるで自分以外にも餌を欲しがっている雛がいるように装うために、翼角と呼ばれる羽の黄色い部分を持ち上げて震わせるのだという。雛の嘴と口の中が黄色いため、翼を持ち上げることによって、複数の雛がいるように仮親にアピールし、体の大きいジュウイチが育つのに十分な量の餌を確保するのだそうだ。
 そして一方で、熱帯に住む仮親の場合、自分の巣の中にカッコウなどの雛を見つけると、この雛を咥えて捨てるという行動も見られるという。どちらも生きるのに必死だ。
 工夫と経験と進化。自分自身の進化について考えを馳せる。

0 件のコメント:

コメントを投稿