2013/02/25

調律師のように

 気持ちが波立ったり、必要以上にぶれていると感じたら、調律師さながらにバッハをかける。フーガ、シャコンヌ、コラール、インベンション、そしてゴルトベルク。バッハを聴くと、物事があるべきところにおさまり、気持ちも鎮まるのだから不思議なものだ。
 ときどき、バッハはまるで数学者のようだ、と思う。たどりつく正解が事前にわかっていて、その正解を導きだすために、ただ淡々と美しく音を積み重ねているだけのよう。数式が美しいのならば、バッハの曲も、そして楽譜さえも美しいに決まっているのだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿