2012/10/10

金色の美しい食べもの

 秋は、トーストと紅茶、という献立がいちばん似合う季節だと思う。キツネ色になる一歩手前まで焼いた薄めのイギリスパンに、きりっとした紅茶にたっぷり注ぐミルクがマーブル模様を描く食卓。この時期になると、朝に決して強くはなかったホストマザーが、眠い眠い、と言いながら毎日用意してくれた献立が決まって懐かしくなる。
 だからというわけではないが、お米が大好きな私が、最近は朝食にトーストを食べている。夫はもっぱらブルーベリージャムを塗っているが、私は蜂蜜で食べる。たらり、と蜂蜜をトーストに落とすと、それだけでなんだかうっとりしてしまうほど。金色という色を表すのに、蜂蜜はぴったりだ。こんなに美しい食べものは、ほかにそうそうない、と信じている。

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