2012/10/08

境界

 「個人を群れに溶解させてはならない、と今でも思っています。」(『考える人』2012年秋号、ロングインタビュー 梨木香歩「まだ、そこまで行ったことのない場所へ」56ページより)
 境界、という言葉が数日前に降ってきて、それについてなんとなく考えていたら、今日買った『考える人』に上記のような表現があって、ちょっと腑に落ちた気がする。例えば自分と他人、中と外、どこにでも境界はあるけれど、個人的にはその理想的なあり方が、群れの中でもすっくと立つ個、ということだ。人間はいつも、決定的にひとりなのだからこそ。
 それにしても、境界にこうも惹かれるのはどうしたことなのだろう。できれば、自分自身の中にも境界を抱えたいものだ、と思えるほどだ。

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