2014/02/14

人を信じるということ

 深夜のモスバーガーでハンバーガーにかぶりつきながら、彼女は「もっと人を信じてもいいんじゃない?」と私に言ったのだった。
 仲良くなって間もないときに、ふとした瞬間に突然そう言われて、私はたぶん鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしていたのだろう。笑いながら、「人は思ってるよりも優しいよ。もっと人を信じても大丈夫だよ」と繰り返し言った。
 でも、そのときの私は、本当にはその意味を理解していなかったのだと思う。そうなのかなあ、と返事はしたものの、今思えば、たしかに当時の私は人を信じていなかった。信じていなかったから人が怖くて、だからより攻撃的になっていた。きっと彼女は、そんな私を見抜いていたのだと思う。今はダメな自分も前よりずっと受け入れられているし、自分でも開いてきたと感じている。
 もう彼女と交流はないけれど、今の私は彼女にはどう見えるのだろう、とときどき思い出す。

0 件のコメント:

コメントを投稿