2014/02/23

物語を編む

 「ものがたり」という言葉について考えている。
 インターネットで取り上げられるニュースや頻繁に読みにいくブログも、その多くは誰かの物語だ。人にはそれぞれの物語があって、それはその人にしかつくれなかったもの。そう考えると、その物語を編んだだけで、人生には価値があるのだと思う。
 新卒で出版社に入社したとき、ある上司が「編集者とは、言葉を集めて編む人だ。その『編集者』という言葉の奥にある意味を考えながら仕事をしなさい」と言ったことを今でも憶えている。それからずっと、「言葉を集めて編む」という表現そのものが、私の目指す方向を指し示しているといっても過言ではない。
 生きることが物語を生むことなのであれば、私はより多くの人に私の物語を知ってほしいし、より多くの人の物語を知り、それを人に伝えたい。深く人と関わりあっていきたい。
 私の物語の舞台は、ほかの誰でもなく、私の人生だ。これからも、私の人生で、私の物語を編んでいく。小さくても新しい物語を紡いで、ただ差し出していくという、ささやかな決意。

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