2015/08/05

【工藤春奈のものがたり】3 はじめての感情

「うれしい」「楽しい」「悲しい」
という感情はわかりやすいもの。
人間の本能に直結しているからでもあると思います。

それに対して、
私には、本から学んだ感情もあります。

ないた赤おに (大人になっても忘れたくない いもとようこ名作絵本)
浜田 広介
金の星社
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たしかこの本を読んだのは、
幼稚園の年長くらいです。

なぜ青おにがいなくならなければならないのか
当時の私はさっぱり理解できず、
おまけに、
心をねじ切られるようなこの感情が何なのかがわからず、
それを説明することもできず、
いたたまれなさの中に身を置いているだけでした。

今なら、その感情は
「せつない」だとわかります。

やりきれないのに、自分ではどうしようもない。
それまではハッピーエンドの物語ばかり
読んでいた私にとって、
この本が与えた印象はとても強烈でした。

そして、はじめての感情を得たことで、
ますますものがたりの力の強さを信じるようになったのです。

4へ続く。


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